FSTN・FFSTNとは? 構造と効果について解説
2024.07.18
カラーLCDは、モノクロLCDと比較すると高級感が出ますがコストが高いというデメリットがあります。
しかし、モノクロLCDでも手を加えることにより、表示品位を高めて搭載する機器の高級感を出すことができます。それがFSTN、FFSTNタイプです。
目次
FSTNとは
TNタイプのLCDは、液晶分子のねじれを240°~260°とし、偏光板との組み合わせで透過光を制御しますが、表示色、背景色が独特の色調になります。
下図のように通常の偏光板ではSTN Yellow mode、STN Gray modeになります。
STN Yellow は、表示色を「濃紺」、背景色は「イエローグリーン(黄緑)」と表現します。
STN Gray は、表示色を「青」、背景色を「グレー」と表現します。
この色調の改善のために、位相差板(位相差フィルム)を追加することができます。
上図の右側が位相差板を追加することで、文字を「黒」、背景色を「白」に近く見せることができます。
位相差板の役割は、自然光がLCDを通過する際に生じる波長のズレを補正することです。
FSTNとは、F:色補償フィルム=位相差板を 追加したSTNタイプです。
現在のSTNポジティブタイプは、ほとんどがFSTNタイプに置き換わっています。
もちろん、STNイエロー、グレータイプも継続生産可能です。
FFSTNとは
モノクロLCDでは、機器により「黒背景に白文字」のネガティブタイプが好まれるものがあります。上記のFSTNタイプをネガティブタイプとして採用しても問題ありませんが、非表示部(背景色)の黒さや、視野角を振った際の色変化があることが指摘されています。
この解決策として、FFSTNというタイプがあります。
F:色補償フィルム=位相差板 を、LCDガラスの表、裏に1枚ずつ合計2枚使用するため FFSTN と呼びます。LCDメーカーによって呼び方が変わることや、位相差板を表側に2枚使用する場合があります。
最適なLCDをつくるために
テスコムでは豊富な経験を基に最適なLCD仕様を提案いたします。
・現行のLCDをもっと最適な見映えにアップデートしたい
・現行のLCDと同じ見映えにして切り替えたい
など、様々なご要望にお応えします。
・現行品の光学的解析
・現行品の構造分析
このため、現行品サンプルを頂ければ最適なご提案をいたします。
FSTN・FFSTNの購入は、専門性の高い技術担当者がそろうテスコムへご相談ください
テスコムでは、専門性の高いメーカー出身の技術担当者が窓口となり、お客様のニーズや用途に合った最適なLCD選びをサポートいたします。
また、アフターサポートも充実しており、ご購入後も安心してご利用いただくことが可能です。LCDの購入に関するご相談やお見積もり依頼は、テスコムまでお気軽にお問い合わせください。
LCDのご購入に関するご相談・お問い合わせはこちら
この記事をシェアする
関連記事